ホテルカクタス　
江國 香織　著（江国香織） ; 佐々木 敦子　[画]

内容キーワード
「文庫」　「読みやすい」　「ファンタジー」　「友情」　「切ない」

アパートのくせに、名前はホテルカクタス。
そのアパートの中には、数字の２と、きゅうりと、帽子が住んでいる。

ファンタジーっぽい設定だけど、
内容はファンタジーというより、「生活」を描いてあります。

読みやすい本なのですが、読書慣れしていない人は
最初はその設定にとまどうかもしれません。

あまり“２”だとか、“きゅうり”だとか、“帽子”ってのを考え込まずに読んでください。
江國香織の本は苦手だ、と生徒には言ったけれど、
この本は楽しく読めました。

“２”は数字の２らしく。とか言われても・・・と思う人も、
そこらへんの設定はこだわらず読んでほしい。

最初はまったく知らない同士だった、同じアパートに住む３人のお話。

数字の２は、上の部屋の住人きゅうりが、
ドタバタと騒がしいので文句を言いに行った。
ところが、きゅうりは全くお構いなし。腹を立てた２は帽子に話を聞いてもらいに行く。

性格も生活も違う３人が、どのように心を通わせるのか。
身近な人のことを思いながら読むのも、未来に出会うはずの人を想像しながら読むのもよし。